介護施設で長年暮らす女性が出産 看護師逮捕(アメリカ)

2019年1月24日のBBCニュースによりますと、アメリカ
・アリゾナ州の介護施設で幼い頃から暮らしている女性が
昨年末出産しましたが、その女性を介護していた看護師が
性的暴行などの疑いで逮捕されたということです。

 

出産した29歳の女性が長年暮らしていたのは、州都
であるフィーニックス近郊のハシエンダ・ヘルスケア・
クリニック。

 

彼女の介護を担当していたのが、ネイサン・
サザーランド容疑者、36歳で、性的暴行および危害を
受けやすい弱い状態にある成人を虐待した疑い。

 

女性は幼児の頃からこの介護施設に入所していて、
昨年12月29日に男の子を出産したが、施設職員は、
女性の陣痛が始まるまでは妊娠に気がつかなかった
ということです。

 

 

 

 

生まれた男の子は女性の家族が面倒を見ていますが
保安官事務所のトミー・トンプソン巡査部長は、
「私たちは自分がこの世にどうやって生まれてくるかを
必ずしも選べないが、私たちはコミュニティーとして
この子どもを愛することができるはずだ」と述べています。

 

出産した女性は、自ら派生行為に同意することが
できないため、出産後に警察が捜査に着手しました。
裁判所は、容疑者にDNA検体の提出を命令し、
その結果、男児のDNAと合致することが確認されました。

 

ウィリアムズ本部長は、「被害者のためになんとしても、
容疑者を逮捕する必要があった。

 

このコミュニティーの新しい一員となった、あの罪のない
赤ちゃんのためにも、逮捕する必要があった」と話します。

 

 

 

 

一方、被害女性家族の代理人であるジョン・マイケルズ
弁護士によりますと、家族は容疑者逮捕については
承知しているがコメントはしないということです。

 

女性は幼児期の発作によって「重篤な知的障害」を
患っており、彼女には「感情があり、本を読んでもらう
のが好きで、静かな音が好きで、家族をはじめ慣れ
親しんだ人に反応することができる」とマイケルズ弁護士
は報道陣に説明しました。

 

現在彼女は、「覚醒していない」状態で「最大限の
介護を必要とする状態」ということが、法廷資料に
記されていると、地元紙アリゾナ・リパブリックは
伝えています。

 

 

 

 

2011年からハシエンダ・ヘルスケア・クリニックで
働いていた容疑者は、23日に出廷し、現金50万ドル
(約55000万円)を払って保釈されています。

 

彼の弁護士、デイヴィッド・グレガンによれば、
サザーランド容疑者は、1993年からアリゾナ州に
住み、幼い子どもたちの父親だということです。
また「サザーランド氏が犯行に及んだという
直接的な証拠はない。

 

現時点で DNAがあることは承知しているが、
自分が選んだ DNA専門家の鑑定を受ける権利がある」
と言っています。

 

ハシエンダ・ヘルスケアは、サザーランド容疑者の
採用時には「身元調査を徹底した」だけに、逮捕に
「言いようのないほど同様」しているとコメントし、
逮捕後すぐ容疑者を解雇。

 

施設の最高責任者もすでに引責辞任し、
女性の治療責任者だった医師も辞任、
別の医師は職務停止処分を受けているそうです。

 

 

 

 

自らも幼い子どもたちの父親でありながら、
自分の仕事であった介護を必要とする女性を、
しかも性的同意すらできない知的障害をもつ、
本を読んでもらうことと静かな音楽を聴くの
が好きな女性に、性的暴行を働いたとしたら
本当に許せないことです。

 

私はこのような事件の時に思い、本当に心底から
心配になるのは、その事実を知った時の子どもの心。

 

この場合は、実の父が加害者で、実の母が被害者、
そして自分はその犯罪行為である性的暴行によって、
この世に生を受けたのです。

 

幸い、保安官事務所のトミー・トンプソン巡査部長が
「私たちは自分がこの世にどうやって生まれてくるかを
必ずしも選べないが、私たちはコミュニティーとして
この子どもを愛することができるはずだ」と述べている
ように、たくさんの人が生まれた赤ちゃんを守ろうと
している様子が、せめてもの救いではありますが。