血縁がない父子の関係、解消を認めず 最高裁判所判断2014年

DNA型鑑定「血縁なし」
2014年7月18日
朝日新聞朝刊
父子関係の解消認めず

 

DNA型鑑定で血縁がないと証明されても、
それだけで一度決まった父子関係を
取り消すことはできない。

最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)は17日、
3家族が争ってきた裁判の判決で、そうした
判断を初めてしました。

血縁よりも「子の法的な身分の安定」を
重視した。

 

子の身分安定優先

5人の裁判官のうち、2人はこの結論に反対した。
父子関係を116年前に定義した民法の
「嫡出推定」が、現代の科学鑑定で
否定されるかが最大の争点だった。

この日の判決では複数の裁判官が、
新たなルール作りや
立法などを求める意見を出しており、
議論が高まりそうだ。

争っていたのは北海道、近畿地方、
四国地方の各夫婦(2夫婦はすでに離婚)。

訴えなどによると、このうち北海道と
近畿の夫婦は、妻が夫とは別の男性と
交際、出産した子と交際男性との間で
DNA型鑑定をしたところ、生物学上の
父子関係が「99.99%」との結果が出た。

これを受けて妻が子を原告として、夫とは
親子でないことの確認を求めて提訴した。

一、二審はいずれも父子関係を取り消す判決
を出した。
「DNA型の鑑定結果は親子関係を覆す究極の
事実」などと指摘した。
ともに父子関係の維持を求める夫側が上告した。

これに対して最高裁は、「科学的根拠に
よって生物学上の父子関係が認められない
ことは明らかである上、夫婦がすでに
離婚して別居している。
それでも子の身分の法的安定を保つことは
必要」と指摘。

そのうえで「夫と子の間に嫡出推定が及ぶ」
として二審判決を破棄し、夫と子の父子関係
を認めた。

この判断について反対意見を出した金築誠志
裁判官は
「夫婦関係が破綻して子の出生の秘密が明らか
になっている上、血縁上の父親と新たな親子
関係を確保できる場合には、素の父子関係を
取り消すことを認めるべきだ」
などと指摘した。

一方、四国の夫婦を巡る裁判は、夫がDNA型
鑑定の結果を根拠に父子関係取り消しを求め提訴。
一審は「子の利益のため、確定した父子関係を
DNA型鑑定で覆すことは許されない」と棄却し、
二審も支持した。

北海道、近畿の裁判とは反対の判断を示していた。
最高裁も夫の上告を退け、判断を統一した。
(西山貴章)

嫡出推定

結婚している妻が出産した子は夫の子
(嫡出子)と推定する、と定めた民法の規定。
父親を早期に決めて親子関係を安定させる
ことが子の利益につながる、との考えに
もとづく。

1898(明治31)年に定められたもので、
DNA型鑑定などは想定していない。
ただし、子の出生を知ってから1年以内に
限り、夫は父子関係の取り消しを求めら
れるとしている。

 

親子認定 司法に難題
DNA鑑定、性別変更…「想定外」

DNA型鑑定だけで父子関係は取り消せない
とした17日の最高裁判決は、賛成3、反対2
と僅差の結論だった。

反対した白木勇裁判官は「科学技術の進歩は
めざましく、DNAによる個人識別能力はすで
に究極の域に達している。
このようなことは民法制定当時はおよそ想定
できなかったことだ」と指摘した。

賛成した裁判官にも「技術の発達を考慮すると、
反対意見の問題意識も十分に理解できる」
とする意見があった。

それでも判決は、
「結婚している妻が出産した子は夫のこと推定する」
と定めた民法の「嫡出推定」を優先した。

この規定は「早期に父親を確定することが
子の利益につながる」という考えに基づいた
もので、最高裁は昨年ものこの考えを示している。

「性同一性障害」で性別を女性から変更した
男性とその妻が、第三者から提供された精子
によってもうけた子を、男性の子と認める
ように求めた裁判。

血縁は明らかになく、一、二審は男性の求め
を退けたが、最高裁は昨年12月、嫡出推定を
適用して父子と認めた。

ただし、この決定も賛成3、反対2と、
裁判官の判断は割れた。

嫡出推定が問題の原因になるケースも出ている。
「無戸籍」の問題だ。
夫の暴力から逃れた妻が、その後に別の男性
と生活を始め、子をもうけるケース。

夫との接触を恐れて離婚が成立していない
ことも多く、出生届を出せば嫡出推定で
夫の子になってしまうため、出さない女性
もいる。

無戸籍で育った子らが民法改正を求めて
いるが、法務省は否定的だ。

この日の判決で、賛成した桜井柳子裁判官は
こう言及した。

「旧来の規定が社会の実情に沿わないので
あれば、裁判所で解決するのではなく、
国民の意識や子の福祉、生殖補助医療の進展
も踏まえて、立法政策お問題として検討
すべきだ」(西山貴章)

実情ふまえ法整備を/「嫡出推定」意義ある
この日の最高裁判決について、棚村政行・
早稲田大学教授(家族法)は「DNA型鑑定
偏重の傾向に警鐘を鳴らした点は評価できる
が、判決に沿えば『法的な親子』と『事実
上の親子』との間にねじれが起きる。
子の利益や生活実態が考慮されておらず、
大いに疑問だ。
実情を踏まえた法整備を急ぐべきだ」と話す。

一方、水野紀子・東北大教授(同)は
「判決は妥当だ。
DNA型鑑定だけで父子関係を覆せることに
なれば、子の身分は不安定になる。
嫡出推定は、子の養育環境を守るために、
妻の生んだ子について夫に責任を負わせる
制度だ。
鑑定で父子関係がわかるようになっても、
その存在意義は失われない」と述べた。

 

近年の『親子関係」をめぐる最高裁判断

2006年9月 死亡した夫の凍結精子で妊娠・
出産した子について、夫との父子関係を
認めず

2007年3月
代理出産を依頼した夫婦と、
代理母から生まれた子との親子関係を求めず

2013年3月
結婚していない男女間に生まれた子(婚外子)
の遺産の取り分を、結婚した男女の子
(婚内子)の半分とする

民法の規定は憲法違反と判断

2014年1月
子を認知した親は基本的にその認知を
取り消せないが、血縁がない場合には
取り消せることを認める

 

 

AID(非配偶者間人工授精)で生まれた子どもの思い

 

 

AIDで生まれた子

夫に不妊等の理由がある場合などに、夫以外の第三者の
精子を使って人工授精をすることを「A ID」といいます。

私は以前から、このようにして生まれた子がこれらの
事情を知った時に、父親を知りたいと思わないのだ
ろうか?、と疑問に思っていました。

もう20年以上前のことですが外国で作られた、この問題
を扱ったTV番組を NHKで見たことがありました。

どこの国で制作されたものかは、はっきりとは覚えて
いないのですが、多分北欧だったのではないかと
思います。

 

 

実父母を知りたい

その番組に出演していたADIで生まれた子どもたち
(といってもいわゆる子どもではなく、成人していた
子どもがほとんどだったと思いますが)は、私が
ずっと疑問に思っていた、まさにそのことで悩んで
いるということでした。

当然のことでしょう。
生物学上の本当の父を知りたい、という思いは
ごく自然なものと思われます。

私の知り合いで、AIDで生まれた子ではなく、いわゆる
「藁の上からの養子」といわれる、法的な養子縁組を
とらずに生まれてすぐ、実際の父母から養父母に
渡され、育てられた人がいます。

この場合、戸籍上も養父母が実の親という扱いです。
私が彼女から聞いた時、彼女は50代だったと思います
が、彼女は実の両親をとても知りたいので教えてくれる
よう養父母に頼んだそうですが、その願いは叶いません
でした。

彼女をもらう時に、両親の名を明かさないことが条件
だったということもあったようですが、彼女自身は両親
が、実の親を知られるのを嫌がっているという理由に
よるのだろうと言っていました。

 

 

 

 

探し当てた父

このケースは、養父母は実際の両親を知っていて話さな
いのですが、AIDの場合は、養父母自身がそれを知らな
いので子どもは知るすべがありません。

そこで先ほどの20年以上前に外国で作られたTV番組です
が、生物学上の親を知りたいと思ったADIで生まれた
子どもたちが集まって会が作られ、中には実の親を探し
出した子どももいました。

また、その会のメンバー同士が、同じ父親の子であり、
生物学的にはきょうだいである、という事実が
わかったケースもあったようです。

その番組の最後のシーンは、暗く重い雰囲気のもの
でした。
なんとか自分の父・精子提供者を見つけ出した子ども
が父親の家を訪れたシーンです。

父親は驚きと戸惑いに襲われたに違いありません。
彼は、我が子に数十年ぶりに巡り会えた喜びに満ち
溢れているようには見えませんでした。

もっとも、それも無理のないこと、彼は好意で精子
の提供をしただけなのですから。
子どもの
側が望むような反応ができなくても、
彼を責めることはできないでしょう。

 

 

70年間で1〜2万人の子どもが誕生

結局、話は「AID」そのものについてになります。
先日、AIDで生まれた38歳になる女性のインタビューを
読みましたが、彼女の話す内容は全てがもっともと
思われ、私が疑問に感じていたことばかりでした。
(東洋経済ONLINE 2019年1月8日)

「父親は誰?『AID』で生まれた38歳女性の叫び」)

日本では慶應義塾大学病院で、すでに1949年から行われ
以来70年間で1〜2万人の子どもが生まれていると
いいます。

しかも正確な数は、国も日本産婦人科学会も把握して
いないということで、多くのAIDで生まれた子は、
生物学的父親がわからないケースが大半を占める
ようです。

 

 

 

遅れすぎている法整備

私が一番、疑問に思うことは、70年もの年月が過ぎて
いるというのに、いまだにAIDで生まれた子に関する
親子関係を明確に定める法律がないことです。

記事の中で、厚生労働省が生殖補助医療に関する法律
を作るための審議会での内容が出ていました。

医師を含む委員の誰一人として、 AIDで生まれた子の
その後について追跡調査をしておらず、「子どもは
秘密のままやっているが、それでうまくいっています」
というような意見を述べているそうです。

 

 

「この人たち、何を言っているんだろう」

それを読んだAIDで生まれた彼女は、「この人たち、何を
言っているんだろう」と医療のあり方に問題があると
思い、
「『(医者は)とにかく患者が妊娠して子どもが生まれ
れば成功』と思っているかもしれないですが、それは
違います。
生まれた後のことまで考えてくれたら、うちの状況も
もっと違ったかもしれません」と発言しています。

全くおっしゃる通りですが、「生まれた後のことまで
考えてくれたら」ではなく、「生まれた後のことまで
考えなくてはいけない」のではないのでしょうか、
本来は。

一人の人間がこの世に生まれという現実を考えること
なく、そのような技術が先走ることの方が大きな問題
だと、私には思えてなりません。

 

 

オーストラリアでは

なお、この記事のコメント欄にはオーストラリアでの
卵子提供を受ける場合のケースに関して説明があり
ました。

卵子提供を受ける際には、相手の何度か面接絵推し、
生まれて来る子どもに生物学的母の存在を教えるか、
子どもと対面する加藤を話し合うといいます。

また生まれて来る子どもに対する対応についても
親になる人はm事前に学んだり話し合ったり
という準備をするのだそうです。

 

 

 

技術の前に生まれる子どもの幸せは?

このシステムが最善というわけでもありませんし、
これをしたからといって問題がなくなるわけでは
ないでしょう。
ですが今の日本状態は、すでに70年も経っていて
このお粗末さは言葉になりません。

親ももちろんですが、何より生まれてくる子どもの
幸せを、傷つくことがより少なくなるような状態を
用意するのは大人として最低限のことのように
思えるのですが。

生殖技術の前に、子どもの心なのではないでしょうか?

 

 

米国で代理出産、母子と認めず 神戸家裁支部

米国で代理出産によって生まれた子の出生届
を不受理にした兵庫県明石市の処分の
取り消しを求め

兵庫県在住の50代の夫妻が神戸家裁明石支部に
申し立てていた家事裁判で、同支部が申立てを
却下していたことが14日、わかった。

審判官(裁判官)は
「妻は卵子提供者でも分娩者でもない。
法律上の母子関係は,基準としての客観性・
明確性の観点から,分娩した者と子との間
に認めるべきだ」
とした。

夫妻は
「事実誤認がある。
子どもが誕生した経緯を十分くみとっていない」
として,大阪高裁に即時抗告する方針。

子どもは02年秋、米国で誕生。
夫妻は父母欄にそれぞれの名前を書いた出生届
を提出したが、高齢だったため、米国人女性
に依頼した代理出産だったことが明らかになり
受理されなかった。

 

 

死んだと思っていた娘とDNA検査により69年ぶりに会った母 

コニー・ムールトループ(69)は2018年12月、米フロリダ州タンパ
で初めて実の母ジュネビーブ・ピューリントン(88)と会った。
2019年1月11日のThe Asahi Shimbun から。

 

母は、産後すぐに「娘は亡くなった」と聞かされた。
しかし、実際には南カリフォルニアの夫婦が、
ひそかに養子に迎えていた。
70年近くも続いた「死別」のベールを取り払ったのは、
DNA鑑定による血縁探しだった。

 

コニーは、バーモント州リッチモンドのマッサージ療法士。
「会ったら、すぐにお母さんだと分かった」と話す。

 

抱き合うと、母は自分をじっと見つめてこう言った。
「死んではいなかったのね」

 

2人とも、声をあげて泣いた。
「こんなにうれしいことはない」と母は言ってくれた。

 

再会は、遺伝子で家系を探るサイト「Ancestry.com」
のDNA検査をコニーが受けたことから始まった。

 

それがここまでたどり着いたことについて、著名な
遺伝子系譜学者で「The DNA Detectives(DNAの探偵たち)」
の設立者でもあるシーシー・ムーアは、
「決してまれな事例ではない」と指摘する。
「かつては悪質で冷酷な営利目的の仲介人が、
あちこちにいた。法を犯して母子を引き裂いても、
ばれはしないと信じていた」

 

 

 

 

ジュネビーブの場合は――故郷のインディアナ州
ラポートにいたときに妊娠した。
18歳。
未婚だった。
女の子なら、「マーガレット・アン」と名付ける
ことにしていた。
小児マヒを患っていた、大好きな高校の先生の名前だった。

 

コニーも、そう聞かされると、母の気持ちがよく分かった。
「なにごとにもめげない、強い子になってほしい
という願いが込められていた。
おかげでその『マーガレット・アン』は、強い子になった」
と自らを重ね合わせた。

 

1949年5月12日、出産。
同州ゲーリーの病院に、一人で入院していた。
しかし、赤ちゃんを見ることは、一度もなかった。
「女の子だったが、死んでしまった」と告げられた。
状況を問いただしたり、死亡診断書を見せるよう
求めたりすることもなかった。
「一人で出産した18歳の小娘には、思いつきようもなかった」

 

 

 

 

戦後の米国では、73年に連邦最高裁判所が妊娠中絶を
認めるまで、数え切れぬほど多くの若い女性が、
生まれた赤ちゃんと無理やり引き離されていた。
詳細は、アン・フェスラー著「The Girls Who Went Away
(いなくなった少女たち)」に描かれている。
赤ちゃんを奪い去られた女性の一人は、
「これを境に、自分の人生に紀元前と紀元後が
できたような気持ちになった」と証言している。

 

ジュネビーブは、出産した病院の名前は忘れてしまった。
コニーが入手した養子縁組の関係書類によると、
カトリック系の「St. Mary’s Mercy Hospital(聖マリア慈悲病院)」
で、今はもう存在していない。

 

この関係書類は、コニーがカリフォルニア州ロサンゼルス郡
の少年裁判所から入手した。
養子縁組を仲介したのは、出産した病院の医師となっており、
母の署名もあった。

 

確かに、ジュネビーブには、書類にサインした記憶はある。
しかし、自分が死んだり、娘を育てられなくなったりした
ときのために、あらかじめ用意する文書の類いといった
ような覚えしかなく、具体的になんの書類なのかは
まったく知らずにいた。

 

娘と再会するまで、ジュネビーブはこの世に近縁者は
もういないと思っていた。
両親と8人のきょうだいは、みな亡くなっていた。
存命の子供も、「いなかった」。

 

一方のコニーは、自分の出自については、
「友人の、そのまた友人の子」と養父母から聞かされていた。
ただ、もっと小さなときは、「病院の通路を何度も行き来して
私を見つけ、一緒に連れて帰った」と説明されたこともあった。

 

 

69年ぶりに再会を果たした
母ジュネビーブ・ピューリントンさん(88)=右=
と娘のコニー・ムールトループさん(69)
(写真/©2018 The New York Times)

 

 

そして、実母と再会した。まるで、鏡を見ているようだった。

 

「それまで、血縁者は娘1人と孫2人の3人しかいない
と思って人生を過ごしてきた。
3人とも、自分とはあまり似ていなかった。
でも、母は違った。
神秘の世界すら感じた」とコニーは振り返る。

 

母と娘は、外見が似ているだけではなかった。
二人とも料理と編み物が好きだった。
娘は、34年も看護師として働いたが、
母も看護師を夢見た時期があった。

 

その母は、結局は資格を取る高等教育を受ける機会に
恵まれなかった。
妊娠していることが目立ち始めると、高校に通うのをやめ、
出産した日に卒業証書を郵便で受け取った。
コニーの実父が結婚したことも知るようになった。

 

出産後は両親と絶縁し、1950年にフロリダに移った。
料理人になり、姉妹の一人の子供たちを育てるのを手伝った。
その間に子宮の摘出手術を受け、自分の子を授かる
ことはなかった。

 

 

 

 

「当時は、未婚で身ごもった女性や婚外子に対する
厳しい偏見があった」と養子縁組の全米組織
「National Council for Adoptions」の副会長ライアン・ハンロン
は指摘する。
だから、秘密に包まれた養子縁組が多かった。
「それが、今では逆になっている」

 

ハンロンによると、現在の養子縁組の90%以上は、
実親などの情報を開示した「開かれた縁組」だ。
制度的にも、「閉ざされた縁組」はしにくくなった。
養子になった人が、生まれたときの実際の出生関連書類
を見ることができるよう、法を改正した州が増えたからだ。

 

加えて、今回のように民間のDNA鑑定をもとに血縁関係を
調べようとする人は、今や全米で2千万人にものぼる。
出自を隠すことは、さらに難しくなった。
「きっかけは興味本位だったが、人生を変えるような
思わぬ結果にたどり着いた人も多い」と先の遺伝子系譜学者
ムーアは語る。

 

コニーは、19年1月に2人の異母妹とペンシルベニア州
ポコノで会うことにしている。
今度は、実父の娘たちだ。

 

「今からドキドキして、もう大変。
だって、きょうだいがいたことは、
これまで一度もなかったのだから」(抄訳)

 

(Christina Caron)©2018 The New York Times

 

 

プレゼントとして人気のDNA検査 母親の思わぬ秘密が 

日本ではまだそうなっていませんが
アメリカでは自宅でできる遺伝子検査が
プレゼントとして人気だそうです。
自分のDNAからたどる家系図。

 

ちょっとした遊び心もあってするのかも
しれませんが時には、思いもよらなかった
事実を知らされることもあるようです。

 

ニューヨーク州に住む、ロビン・クライストさんが
まさにそうでした。
2018年12月21日のBBC News JAPANの4分間の動画
から書き起こしてみます。
動画はこちらです

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「DNAはうそをつかない」

ロビン「真実を知った時 変わってしまうものがあります
娘のジェシカがDNA検査を受けました
ボーイフレンドがいつも
出自について冗談を言っていたから
どういうわけが検査器具が余ったので
『ママも受けてみてよ』と
『わかった、受けてみよう』って」

 

1200万人以上が自宅でできるDNA検査を受けている
これが人生を変えるきっかけになることもある

 

ロビン『この時点では自分は100%
アシュケナジム(ドイツ系ユダヤ人)だと思っていました
でも実際は49%しかアシュケナジムではありませんでした
父として私を育ててくれた人は
血のつながりすらなかったのです
テスト受けた時点で母は亡くなっていて
出生証明書上の父親も死んでいました
事情を聞ける人はいませんでした」

 

 

 

幼いロビンさんと育ててくれた父親
(写真/BBC)

 

 

DNAのマッチングでロビンさんは
新しいいとこを見つけた

 

ロビン「シェリル(父と判明した人の親類)が
いなかったら知らないままだったはずです」

 

ロビンさんを訪れたしシェリルさんは
彼女に家族の写真を見せて説明します

 

シェリル「これがあなたの父親ニックの写真
こっちがあなたのいとこのキャロルで
これがニックの兄弟のフランク」

 

ロビンさんが
「私の父と叔父と、いとこね。これは……」
と聞くとシェリルさんが答えます
「私の祖母のケイティ」」
ロビン「なるほど。まだ名前で混乱しているけど」
シェリル「大家族なの」
ロビン「本当に!」

 

 

 

 

ロビン「私が発見したのは
知らぬが仏とはよく言ったもので
数年間で知ったのは
両親が色々な人と寝ていたということです
当時は1960年代で自由恋愛とか言っていた時代で
それはまぁ良いとして
私の母とニックの間に関係があって
その結果が私のようです

 

たった1人の女の子だから
特別扱いなんだと思っていました
男兄弟2人と育って いとこも男3人なので
それが理由だと思っていました 女の子だからだって
でも真実がわかった今 「誰が知ってたの?」って
誰か知ってた人はいたのかって

 

母に怒ってはいません
何年か前に検査を受けて入れば
本人に聞けたのにとは思います
母がこの事実を知っていたのかすらわかりません
母は当時19歳で結婚していて
夫とも私の父親とも関係があったなら
わかりませんよね」

 

実の父親ニックさんは現在90歳で
ロビンさんの母親を覚えていない
しかし彼の家族はロビンさんを受け入れた

 

 

 

 

ロビン「みんな、ニックのことを
女好きだったと言うんです
あちらの家族にはそれほど意外ではなかったのかも
一度真実を知ってしまうと
道を歩いていても、周りの人を眺めて
私の鼻に似てる?とか 私と同じ目かも?とか
あの人お父さんにそっくり……
あの人は……って考えてしまいます
私は平気 自分が誰か知っているし
兄弟のこともわかっているし
素敵ないとこも見つけました」
ロビンさんが差し出したネックレスの中から
シェリルさんが一つを選んでつけようとすると
ロビンさんは言います

 

「やっぱりね そっちのゴールドを選ぶだろうなって」
二人はハグして言い合います
ありがとう 新しい家族を見つけた

 

ロビン「受け入れられる人もいればそうでない人もいます
もう一度やってみたいかって?
すぐにでも!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

以上がBBCの動画の書き起こしに
私が少し説明を加えたものです。

 

最後の質問、「もう一度やってみたいかって?」
に対してロビンさんが「すぐにでも」と答えて
いるところに私は感動しました。

 

このケースは、ロビンさんと彼女の実の父とわかった側の
家族の対応を考えると、恵まれているといえるでしょう。
良い人たちばかりですので。

 

まあ、当の父親本人が90歳とはいえ、彼女の母を
覚えていないというのは驚きですが。
とういうことは当然、子ども・ロビンさんが生まれていた
事実も知らなかったと思われます。

 

本当に家族って、血縁って何なのだろう?、
と様々なことを考えさせられますね。

 

 

 

父親の違う双子(ベトナム)と肌の色の違う双子(アメリカ)

似ていない双子

双子なのに父親が別の人間?、そんなことが
ありえるのという記事を、2016年3月8日の
「CNN.cp.jp」からお伝えします。

 

国営ベトナム通信(VNA)によりますと、ベトナム
北部ホアビン省出身の一家で2歳になる双子の容姿
が似ていないと、親族から指摘された両親が首都
ハノイの遺伝子解析技術センターを訪れてわかった
ものです。

 

2歳になる双子の1人は、髪が多くてウェーブがかか
っていましたが、もう1人の方の髪の毛は薄くて
まっすぐでした。

 

 

 

赤ちゃん取り違え?

病院での赤ちゃんの取り違えが疑われていましたが、
DNA検査の結果はそうではありませんでした。
2人は、同じ母親を持ち、父親だけが違っていたのす。

 

家族はこの事実に驚き、最善の対応を考えている
ということです。

 

遺伝子解析技術センターのルオん会長は、両親との
間で秘密を守る約束を交わしたことを理由に、
詳細への言及は避けています。

 

 

 

ベトナムでは初めて

父親の違う双子が生まれる確率は非常に低いもので、
専門家によりますとベトナムで報告されたのは初の
事例とみられています。

 

アメリカでは、昨年ニュージャージ州の男性が、
双子の養育費を請求された訴訟で、DNA鑑定をした
結果、この男性が双子のうちの一方だけの父親だっ
たことが判明しました。
裁判所は男性に、1人分の養育位のみを支払うよう
に命じています。

 

専門家によれば、女性の卵子の寿命は、12〜48時間
で、男性の精子の寿命は7〜10日間で、本来は1か月
に1つだけの排卵が2個以上あった場合、その前後
1週間ほどの間に複数の男性と性交渉を持つと、父親
の違う双子が生まれることがあるということです。

 

 

肌の色の違う双子
カラ二・ディーンちゃん(左)と
ジャンニ・ディーンちゃん(右)

 

肌の色が違う双子

またこちらは同じ「 CNN.co.jp」の2017年1月25日の
記事ですが、肌の色が違う双子の赤ちゃんの紹介
されています。

 

アメリカのイリノイ州に住む、カラ二・ディーン
ちゃんとジャラニ・ディーンちゃんの姉妹です。

 

カラ二・ディーンちゃんは、白い肌に青い目、
ジャラニ・ディーンちゃんは、色の濃い肌に
茶色の目というように外見がはっきりと分かれ
ています。

 

 

 

「信じられないほどの幸運!」

こちらは両親は同じなのですが、母親が白人、
父親が黒人で、双子は二卵性双生児ということ。

母親は、
「こんなに幸運なことが起きたなんで、最初は
信じられなかった」
とはなし、2人が誕生してからずっと写真の投稿
を続けてきたそうです。

 

同じ受精卵から生まれる一卵性双生児と異なり、
二卵性双生児は父母からそれぞれ異なった組み
合わせの遺伝子を受け継ぎますので、父母の人種
が違えば2人の肌の色が別れることもあります。

 

ただしその可能性はかなり低く、イギリスの遺伝
学者ジム・ウィルソンさんによりますと、異人種
カップルに肌の色の違う赤ちゃんが生まれる確率は
約500分の1に過ぎないとBBC放送で語っています。

 

赤ちゃん取り違え事件 イギリス  1983年5月

「愛情のクロス承認」

1946年に同じ病院で出産し、
病院側の手違いで赤ん坊を
取り違えられた二人の婦人が、
このことを知ったあとも、互いに
連絡し合って、相手の子どもを
自分の子どもとして育て上げ、
子どもたちも互いに「シスター(姉、妹)」
と認め合う“円満な関係” を維持している
ことが英国で評判となっている。

この二人はマーガレット・フィラー
さんとブランチ・リラットさん。
英中部ノッチンガムの病院で出産後、
赤ちゃんを渡されたとき、ともに
“異変”を感じたが、病院側が取り合わず、
取り違えがわかったのは七年もたってから。

しかし、二人は子どもに与えるショックの
大きさを考え、相談のうえ、相手の子を
自分の子どもとして育てることにした。

それから40年——二人の娘は18歳のとき
“事実” を知らされたが、ともに育ての親
と暮らす道を選び、いまではそれぞれ
二人の子どもの親。

このほど、フィーラーさん夫妻の金婚式
に全員そろって出席、久しぶりの再開を
喜び合った。

 

(UP1共同)

不妊治療で生まれた双子は、別の夫婦の子どもだった

体外受精で別の夫婦の子を妊娠

アメリカ、カリフォルニア州で、不妊治療クリニック
で体外受精(IVF)をしたアジア人カップルが、双子
を妊娠しました。

 

しかし2019年3月30日に生まれた子どもたちは、
とてもアジア系とは見えない赤ちゃんでした。
カップルは衝撃を受ます。

 

医師のミスにより、自分たちとは無関係の子ども
を妊娠、出産したとして、このアジア人カップルは
クリニック「CHAファーテリティ(Fertility)」と
共同経営者らの男性2人を相手取って、ニューヨー
ク州で訴訟を起こしました。

 

 

 

 

赤ちゃんの1人は同クリニックで治療していた夫婦の遺伝子と判明

2回目の不妊治療で双子を人したカップルは
妊娠中、それぞれの遺伝素材を使って赤ちゃん
ができたと、医師から説明を受けていました。

 

しかし、DNA鑑定の結果、赤ちゃんは2人とも
カップルとは遺伝的なつながりがないことが
判明します。
同じクリニックで治療を受けていた別の夫婦
の遺伝子を持っていることがわかりました。

 

赤ちゃん同士にも、つながりは見られないと
いうことですので、双子の赤ちゃんの1人が
その夫婦の子どもということなのでしょうか?
報道ではわかりかねますが。

 

カップルは赤ちゃんの親権を放棄したという
ことです。

 

 

 

 

クリニックを提訴

彼らは、クリニックについて、医療過誤を犯し、
恋に精神的苦痛を与えた責任があると主張。
「CHAファーテリティ(Fertility)」は、ウェブ
サイトで、「個人に合わせた最高レベルの治療
(中略)最大の職業意識を持って提供する」と
しています。

 

クリニック側は、この訴えに対してコメントは
出していません。

 

カップルの弁護士は、BBCに対し、
「カップルは、CHAファーテリティ(Fertility)
のあまりに怠慢で向こう見ずな行為によって
被害を受けた」
「この訴訟の目的は、依頼人の損失を保証させ、
こうした悲劇が二度と繰り返されないようにする
ことだ」
と話しました。

 

 

 

 

妊娠中から不審なことが

不妊治療に10万ドル(約1090万円)以上を費やした
といいますが、赤ちゃんが生まれる前から、おかし
な点があったとカップルは言っています。

 

妊娠中のスキャン検診では、赤ちゃんは男の子だと
言われましたが、治療中に医師たちは、男性の胚
は使っていないと話していたのです。

 

同クリニックでは、去年の初めにこのカップル
から精子と卵子を採取し、生倍数体の胚を5個
形成しましたが、そのうちの4個は性別が女性
だったのです。

 

そこでカップルは、クリニックの経営者の1人に
連絡を取ります。

 

するとその共同経営者は、
「自分の妻も妊娠時に、男の子だと告げられて
いたが、出産したら女の子だった」
と言い、超音波検診の結果は不正確だとして、
そのまま続行したということです。

 

そして3月に出産すると、超音波検査通りに
双子はどちらも男の子で、人種も両親とは
異なったものでした。

 

またカップルは、自分たちから採取された
2つの胚が、どうなったのかも知らされて
いないということです。

 

 

 

 

赤ちゃんの親権を放棄したカップル

この報道では、カップルが赤ちゃんの親権を放棄
した、ということまでしかわかりませんが、2人
の赤ちゃんは誰が親になり、育てることになる
のでしょう?

 

1人は、同じクリニックの別の夫婦の子どもだと
いうことが遺伝的にわかったようですが、それで
はやはり、不妊治療をしていたと思しき彼らは、
大喜びで自分たちの遺伝子を持ったその赤ちゃん
を引き取って育てるのでしょうか?

 

また、もう1人の赤ちゃんのことに関してはわかり
ませんが、いずれにせよ、出産した「母親」は
親であることを放棄したのです。

 

 

 

 

最大の被害者は「子ども」

このアジア人カップルが被害者であるということ
にはもちろん異論はありませんが、私はこれらに
関連する記事にはいつも申し上げているように、
生命の操作をしてしまうことに、大きな疑問を
感じます。

 

命を人間が操作するということは、このような
ことが起きた時に、取り返しのつかないことが
生じてしまうことでもあります。

 

そしてその時の最大の被害者は、もちろんいう
までもなく子ども自身。
その子どもは、自分の命の操作をすることに
関して承諾も反対もできない立場であるという
当たり前のことが、大きく抜け落ちていること
に憤りを感じざるを得ません。

2人の赤ちゃんの幸せを願いつつ……

 

同性婚をした息子のために、61歳女性が代理出産 アメリカ

同性婚をした息子のために

2019年3月25日、61歳のアメリカ人女性が、同性婚を
した息子とそのパートナーのために代理出産をしました。
2019年4月3日の「BBC News JAPAN」からです。

 

アメリカ、ネブラスカ州のセシル・エレッジさんは、
息子のマシュー・エレッジさんと、彼のパートナー
であるエリオット・ドーティさんの子どもを出産
しました。

 

生まれたのは女の子。
ウーマ・ルイーズちゃんと名づけられたマシューさん
とエリオットさんの娘は、セシルさんの孫娘でもあり、
セシルさんの子どもでもあります。

 

 

 

冗談でしょ?

息子のマシューさんとエリオットさんが、家族を持ち
たいと母親のセシルさんに話した時、彼女は自ら代理
出産を申し出たということです。

 

しかし2人は笑うだけでした。
当時59歳だったセシルさんの提案は、一種の冗談と
しか受け止められず、現実的なものとは考えられな
かったのです。

 

しかし、自分のことよりも他者を大切にする彼女に
対して、エリオットさんは、
「本当に美しい思いやりだと思いました」といいます。

 

 

左がマシュー・エレッジさん
ウーマ・ルイーズちゃんを抱くセシル・エレッジさん
右がマシューさんのパートナーエリオット・ドティーさん

 

 

 

冗談が現実に

ところが、セシルさんと同じ州に住むマシューさん
とエリオットさんは、子どもをもつ選択肢を探して
いるなかで、セシルさんの提案もありえるかもしれ
ない、と不妊治療専門医から告げられたのです。

 

問診と一連の検査後、セシルさんは代理出産が可能
との診断をされました。

 

「私は非常に健康志向なので、赤ちゃんを妊娠できる
はずだと、全く疑っていませんでした」
子どもは、マシューさんの精子と、エリオットさんの
妹であるレア・イリブさんの卵子を使って、体外受精
で誕生しました。

 

美容師のエリオットさんは、異性カップルにとって
は体外受精というのは、最後の手段かもしれないが、
自分たちにとっては、血のつながった子どもをもつ
ための「唯一の望み」だったと述べました。

 

公立学校教師のマシューさんは、
「これについては、自分たち独自のやり方、枠に
とらわれない方法が必要だと、最初から承知して
いたので」
と付け加えます。

 

 

 

妊娠検査薬は「陰性」?「陽性」?

受精卵の移植が成功したかを確認するため、
セシルさんは妊娠検査薬を使いました。

 

「ダメだと言われていたけれど、息子たちは
待ちきれない様子だった」
というセシルさんは、検査薬の判定が「陰性」
だったことに愕然とします。

 

母親を慰めに訪ねてきた息子のマシューさんが
検査薬を見てみると、「陽性」を示すピンク色
の線が出ていたのです。

 

セシルさんは、自分の視力がいかに衰えている
笑いながら、
「本当に嬉しい瞬間だった」
と語ります。

 

息子のマシューさんとエリオットさんは、
「ママは何も見えないけど、出産はできる」
と笑いながら言ったといいます。

 

 

左から
エリオットさんの妹で卵子提供者のレア・イリブさん
エリオット・ドーティーさん
マシューさんの母のセシル・エレッジ
精子提供をしたマシュー・エレッジ

遺伝的には両端の男女が父母で、
右から2人目の女性が代理出産し、
2人の男性が育ての親となる

 

 

 

残る差別

セシルさんの妊娠に対して、家族全員、特に
マシューさんのきょうだい2人は、前向き
でした。

 

「どういうことかみんなが理解してからは、
全面的に応援してくれました」
と語るセシルさんですが、今回の妊娠により、
ネブラスカ州の性的少数者(LGBT)家族が
どういう差別を受けるかということも、浮き
彫りになりました。

 

ネブラスカ州では、同性愛者の結婚は、
2015年の最高裁判決以降、合法ですが、
性的指向に基づく差別を禁止する州法は
存在しません。

 

2017年までは、ゲイ取れずビアンが里親になる
ことを禁止する数十年前の州法を適用し続けて
いました。

 

 

 

医療費の払い戻しも受けられず

その上、セシルさんが出産したのが自分の子ども
だった場合には支給されたはずの医療費の払い戻し
を、保険会社は認めませんでした。

 

セシルさんは、保険会社と争いましたが認められ
ませんでした。

 

赤ちゃんを出産する人物を母と定める法律により、
出産証明書には母セシルさんと、息子のマシュー
さんの名前は記載されていますが、エリオットさん
の名前は除外されています。

 

「本当にたくさんのことが障害になるかもしれず、
これは本当にごくごくわずかな一例に過ぎない」
とセシルさんは言います。

 

 

 

宿場を追われたマシューさん

マシューさんは4年前、当時勤めていたオマハに
あるスカット・カトリック高校にドーティさんと
結婚する予定だと伝え解雇され、大きく報じられ
たことがありました。

 

学校側の対応は、地元で激しい抗議を巻き起こし、
保護者や卒業生、在校生が、
「マシューさんと将来の教員に対する雇用差別を
終わらせる」ようも止めるオンライン申し立てを
作成すると、10万3000人近くの支持が得ました。

 

典型的な一般家庭だというセシルさんの家族は、
LGBTの人々や家族に対する「憎悪」に対抗する
ために、家族の経験談を共有し、「そこには常に
希望がある」と伝えました。

 

 

 

「何もかも、なるなるべくして……」

マシューさんと家族に対する否定的な反応について
「個人的に受け止めないようにすることを学んで
きた」
といい、

 

「結局のところ、私たちには家族がいて、友人が
いて、私たちを支えてくれる巨大なコミュニティが
ある」
「この小さな女の子を、本当に大勢の人が応援して
くれています。
愛情あふれる家族に囲まれて成長します。
何もかも、なるべくしてこうなりました」
と語りました。

 

 

 

 

しらべぇの「秘密にしたい過去」調査について一言!

今日、御紹介するのは、2019年2月14日の
「しらべぇ」の記事です。
タイトルは、

「YOU、自ら出演しアカデミー賞受賞した
映画の題名
をド忘れ ツッコむ声続々」。

 

TVのない私はこの番組は一度も見たことがありません
ので、この番組がどのようなものなのかはよくわから
ないのですが、レギュラー(なのか?)のYOUさんが
自らの出演作品『誰も知らない』の題名も、内容と
いうか設定も忘れていた、ということが主な記事の
内容でした。

 

そして最後の方になぜか「秘密にしたい過去を調査」
とありこれが載っていました。
ここからです(↓)

 

 

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「しらべぇ編集部では、全国の20代~60代の男女を1,354名
を対象に『秘密にしたい過去』についての調査を実施。

最も多かった回答は、45.9%の「特になし」だった。
しかしその一方で、犯罪や不倫、風俗勤務や婚外子などの
回答が少なからず上がっている。
今後、この中に無戸籍がランクインするかどうかが
気になるところだ。」

 

 

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
       (ここまでです)

 

と書かれているのですが、私はYOUさんにツッコむと
いうよりは」「しらべぇ」さんにツッコミたいですね。

 

 

 

 

 

「過去に婚外子をしていた」??

「秘密にしたい過去」という質問で、その回答が
過去に犯した犯罪や不倫の経験、風俗に勤務したこと
というのは理解できます。

 

ですが、「婚外子」が「秘密にしたい過去」の質問の
回答としてあるというのは、どのような意味なので
しょうか?

 

過去に「犯罪」、「不倫」「風俗勤務」をしていた、
つまり「過去に〇〇していた」わけですが、これが
婚外子ですと「過去に婚外子をしていた」となり
意味不明。

 

これが婚外子の父と母に対しての質問なのか、
(男性に対しては「婚外子がいる」
女性に対しては「婚外子を出産したことがある」)、
あるいは婚外子自身に聞いているのか
質問の対象がわかりません、

 

 

 

 

 

質問対象が男性(婚外子の父だった場合)

この設問が男性を対象としていて、過去に(現在、
あるいは当時、妻がいてもいなくても)婚姻外で子ども
が生まれた人、というのを想定しているのでしょうか?
(私は、おそらくこれではないかと思っていますが)

 

ですがその場合、子どもが亡くなっていなければ
その男性は、現在でも婚外子の父であるわけですから
「過去 婚外子の父だった」という言い方は変です。

 

敢えて「過去に〇〇した」風にいうのならば、
「過去に、自分の婚外子を生むことになる女性
と付き合っていた」
となるのかもしれませんが、おかしいですよね。

 

 

 

 

 

質問対象が女性(婚外子の母だった場合)

女性だった場合も男性と同様で、その子が現在も
生存しているならば「過去」ではありません。

 

もし、婚外子を出産した後に養子に出して、その子ども
を育てなかった母の場合は、「過去に婚外子を出産した」
ことを「秘密にしたい過去」といえなくもありませんが、
そうでない母親に対してはおかしいです。

 

 

 

 

婚外子自身に対して質問なのか?

となりますと、この「婚外子」という意味は、親側では
なく「婚外子」本人に対する質問で、自分が婚外子として
生まれた事実を「知られたくない過去」と表現している
とも考えられなくもありません。

 

 
ですが、これも父母に対してと同様、不自然ですよね。
現に今でも婚外子なのですから、秘密にしたい過去
という
表現はふさわしくありません。

 

 
敢えていえば、婚外子として生まれても、その後に父母が
婚姻届を出すことにより、「非嫡出子」は「準正」という
扱いで「嫡出子」になります。

 

 
これですと「過去に婚外子だった」という人も存在しうる
わけですが、「しらべぇ」がこのようなケースを想定して
質問したとはとても思えません。

 

 

 

 

 

「無戸籍」は過去の出来事ではありません

そして最後の、
「今後、この中に無戸籍がランクインするかどうかが気に

なるところだ。」という文章も少々、意味不明という感じ。

 

「無戸籍」という言葉も、「秘密にしたい過去」という回答
としておかしいのは、婚外子の場合と同様です。

 

現在、無戸籍の人にとってそれは「秘密にしたい過去」では
ないでしょうし(今も無戸籍なのですから)、生まれた時は
無戸籍だったけど後に戸籍が作られた人だけを対象として
「秘密にしたい過去」ということなのでしょうか?

 

婚外子や無戸籍と答えるのでしたが、「秘密にしたい過去」
ではなく「秘密にしたいこと」の方が正確だと思います。

 

 

 

 

 

疑問

ここで今までのこととは全く異なり、人数のことが
少々疑問に思えてきました。
「『しらべぇ編集部では、全国の20代~60代の男女を
1,354名を対象に」とあります。
そのうち「婚外子」と答えたのは「5.4%」と書いて
ありますので、「73人」位でしょうか。

 

ところが婚外子の出生率は、近年やっと2%台になって
きましたが、この調査対象の20〜60代の年齢でしたら
1%台です。
多めに2%と計算しても「27人」。

 

となりますと、婚外子本人と婚外子の親の全てが
「秘密にしたい過去」に「婚外子」を選んだという
ことなのでしょうか?

 

今回の「しらべぇ編集部」の調査結果は、色々な
意味ですっきりとしないというのが正直なところです。