不妊治療で生まれた双子は、別の夫婦の子どもだった

体外受精で別の夫婦の子を妊娠

アメリカ、カリフォルニア州で、不妊治療クリニック
で体外受精(IVF)をしたアジア人カップルが、双子
を妊娠しました。

 

しかし2019年3月30日に生まれた子どもたちは、
とてもアジア系とは見えない赤ちゃんでした。
カップルは衝撃を受ます。

 

医師のミスにより、自分たちとは無関係の子ども
を妊娠、出産したとして、このアジア人カップルは
クリニック「CHAファーテリティ(Fertility)」と
共同経営者らの男性2人を相手取って、ニューヨー
ク州で訴訟を起こしました。

 

 

 

 

赤ちゃんの1人は同クリニックで治療していた夫婦の遺伝子と判明

2回目の不妊治療で双子を人したカップルは
妊娠中、それぞれの遺伝素材を使って赤ちゃん
ができたと、医師から説明を受けていました。

 

しかし、DNA鑑定の結果、赤ちゃんは2人とも
カップルとは遺伝的なつながりがないことが
判明します。
同じクリニックで治療を受けていた別の夫婦
の遺伝子を持っていることがわかりました。

 

赤ちゃん同士にも、つながりは見られないと
いうことですので、双子の赤ちゃんの1人が
その夫婦の子どもということなのでしょうか?
報道ではわかりかねますが。

 

カップルは赤ちゃんの親権を放棄したという
ことです。

 

 

 

 

クリニックを提訴

彼らは、クリニックについて、医療過誤を犯し、
恋に精神的苦痛を与えた責任があると主張。
「CHAファーテリティ(Fertility)」は、ウェブ
サイトで、「個人に合わせた最高レベルの治療
(中略)最大の職業意識を持って提供する」と
しています。

 

クリニック側は、この訴えに対してコメントは
出していません。

 

カップルの弁護士は、BBCに対し、
「カップルは、CHAファーテリティ(Fertility)
のあまりに怠慢で向こう見ずな行為によって
被害を受けた」
「この訴訟の目的は、依頼人の損失を保証させ、
こうした悲劇が二度と繰り返されないようにする
ことだ」
と話しました。

 

 

 

 

妊娠中から不審なことが

不妊治療に10万ドル(約1090万円)以上を費やした
といいますが、赤ちゃんが生まれる前から、おかし
な点があったとカップルは言っています。

 

妊娠中のスキャン検診では、赤ちゃんは男の子だと
言われましたが、治療中に医師たちは、男性の胚
は使っていないと話していたのです。

 

同クリニックでは、去年の初めにこのカップル
から精子と卵子を採取し、生倍数体の胚を5個
形成しましたが、そのうちの4個は性別が女性
だったのです。

 

そこでカップルは、クリニックの経営者の1人に
連絡を取ります。

 

するとその共同経営者は、
「自分の妻も妊娠時に、男の子だと告げられて
いたが、出産したら女の子だった」
と言い、超音波検診の結果は不正確だとして、
そのまま続行したということです。

 

そして3月に出産すると、超音波検査通りに
双子はどちらも男の子で、人種も両親とは
異なったものでした。

 

またカップルは、自分たちから採取された
2つの胚が、どうなったのかも知らされて
いないということです。

 

 

 

 

赤ちゃんの親権を放棄したカップル

この報道では、カップルが赤ちゃんの親権を放棄
した、ということまでしかわかりませんが、2人
の赤ちゃんは誰が親になり、育てることになる
のでしょう?

 

1人は、同じクリニックの別の夫婦の子どもだと
いうことが遺伝的にわかったようですが、それで
はやはり、不妊治療をしていたと思しき彼らは、
大喜びで自分たちの遺伝子を持ったその赤ちゃん
を引き取って育てるのでしょうか?

 

また、もう1人の赤ちゃんのことに関してはわかり
ませんが、いずれにせよ、出産した「母親」は
親であることを放棄したのです。

 

 

 

 

最大の被害者は「子ども」

このアジア人カップルが被害者であるということ
にはもちろん異論はありませんが、私はこれらに
関連する記事にはいつも申し上げているように、
生命の操作をしてしまうことに、大きな疑問を
感じます。

 

命を人間が操作するということは、このような
ことが起きた時に、取り返しのつかないことが
生じてしまうことでもあります。

 

そしてその時の最大の被害者は、もちろんいう
までもなく子ども自身。
その子どもは、自分の命の操作をすることに
関して承諾も反対もできない立場であるという
当たり前のことが、大きく抜け落ちていること
に憤りを感じざるを得ません。

2人の赤ちゃんの幸せを願いつつ……

 

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