受精卵移植で出産の62歳の女性,弟の精子 2001年1月6日(木)毎日新聞

【パリ時事】

フランスで5月中旬、62歳の女性が他人
の受精卵を移植して男児を出産した。

仏紙パリジャンヌは20日、使用した精子
がこの女性の52歳になる実の弟のもの
だったと報じた。

女性は同紙とのインタビューで,弟の
精子を使った理由について、二人とも
独身なので
「自分たちの遺伝形質を残したかった」
と説明している。

受精卵を移植した米ロサンゼルスの医師
は、男性が弟とは思わず,女性の夫と
信じていたと話している。

また、卵子を提供した米国人女性も
このフランス人女性の弟の精子で女児
を出産したという。

62歳の出産は,米国とイタリアでの63歳
の出産に次ぐ高齢記録となっていた。

 

 

 

米国で代理出産、母子と認めず 神戸家裁支部

米国で代理出産によって生まれた子の出生届
を不受理にした兵庫県明石市の処分の
取り消しを求め

兵庫県在住の50代の夫妻が神戸家裁明石支部に
申し立てていた家事裁判で、同支部が申立てを
却下していたことが14日、わかった。

審判官(裁判官)は
「妻は卵子提供者でも分娩者でもない。
法律上の母子関係は,基準としての客観性・
明確性の観点から,分娩した者と子との間
に認めるべきだ」
とした。

夫妻は
「事実誤認がある。
子どもが誕生した経緯を十分くみとっていない」
として,大阪高裁に即時抗告する方針。

子どもは02年秋、米国で誕生。
夫妻は父母欄にそれぞれの名前を書いた出生届
を提出したが、高齢だったため、米国人女性
に依頼した代理出産だったことが明らかになり
受理されなかった。

 

 

出産期待され  2004年5月17日(月)朝日新聞 声の欄

「出産期待され悩み苦しんで」
予備校講師 沼尻玲子(札幌市 38歳)

 

結婚したとたん周囲から子どもを産むこと
を暗黙のうちに期待され、そして子どもは
男児であることを望まれる。

それを役割だと受けとめ周囲の期待に応えたい。
同時に、ただ子どもを産むことのみを求められる
自分の存在意義とはなんだろうかと言う、
二つの想いのあいだで深く深く苦しむ——。

これは今でも多くの女性が経験していること
ですが、家の跡継ぎの妻という立場でなければ、
同じ女性でも分かってもらいにくい問題です。

まして、男性には理解できないかもしれません。
私自身、跡継ぎとして婿養子をとり、結婚して
すぐに「子どもは」と問われました。

「あぁ、私はもう子どもを産む機械でしかないのだな」
と思った瞬間、言葉に表せないほど自分を強く
否定されたような気がしたのを覚えています。

その数年後、自分の意志で離婚しました。
私には生きたい人生があります。
しかし、年老いていく両親を見ると
自分の不甲斐なさを思うのです。

二つの思いに心が引き裂かれ、
一日に何度もその痛みを感じます。

独りで苦しまず周囲の人と心を交わして、
自分の心に少しずつ折り合いをつけ、
回りの人をも満たすように出来れば
いいと思うのですが……。

 

 

 

「夫との絆強めるために」2002年1月30日(水)毎日新聞

私・主義 「自己責任」時代の暮らしかた 番外編

昨年夏、60歳の女性が国内最高齢で男児を生んだ。
愛する男性の子どもを欲しいと望み、
自分の責任で超高齢出産を選んだ。

「私・主義」の番外編として、生殖医療の進化、
女性の生き方をめぐる議論のきっかけに
なった女性に話を聞いた。(戸嶋誠司)

卵子提供を受け60歳で初産

出産したのは都内の公務員、影山百合子さん(60)=仮名。
在米日本人女性(28)の卵子と夫の制止を体外受精させ妊娠。
昨年7月、帝王切開で2558グラムの元気な男の子を産んだ。
黒髪のおかっぱ、意思の強そうな目が印象的な女性だ。

24歳年下と再婚
53歳の時に24歳年下の米国人男性と再婚した。
「年齢差を埋め、2人の絆を強めるために
子どもを産むことにこだわりました。
でないと相手が離れていくと思ったから。
男と女がうまくいくには努力が必要でしょ?
私にとってそれが子どもでした」
3歳で両親を亡くした。
価値観の違う前夫との生活は冷え切っていた。
子どもはおらず、痴呆の祖母の介護、脳卒中で
倒れた夫の世話が加わり「このまま老いるのか」
の味気ない生活だった。

今の夫と出会い、状況は一変する。
「この人の子どもがほしい」との思いに押されて、
夫に離婚を切り出した。

再婚後の98年秋、不妊治療をコーディネートする
卵子提供・代理母出産情報センター(東京)を訪れた。
閉経間近だったので、日本では認められていない
卵子提供を米国で受けることを決めた。

60歳出産への世間の偏見は怖くなかったのか。
影山さんは「他人に迷惑をかけないで自分の
責任で引き受けた。
人間として恥ずかしくない生き方をしてきたので
不安はありませんでした」と、明るく振り返る。

検査で骨密度が20代並みとわかった。
歯はすべて自前。
医者が驚くほどの健康体。
薄くなっていた子宮内膜は、ホルモン投与で
着床可能な厚さになった。
子宮筋腫を切除したあと、2回に分けて
受精卵8個を子宮に戻し、妊娠した。
つわりはほとんどなく、妊娠中毒症も軽かった。
出産日は夫の誕生日に合わせた。

「医者が取り上げた子どものほっぺを
私のほっぺにくっつけてくれた。
温かい肌、ぬるっとした感触で、
『子どもを産んだんだ』と実感しました」

出産が大きく報道されると、「将来子どもの養育
ができるのか」「無責任だ」と批判が噴出した。
だが、影山さんは不思議に思ったという。
「子どもは母親だけで育てるわけではないのに。
私に何かあっても、夫が子どもをみてくれる
見通しがあった。
夫が同じ世代か上だったら、こんな選択は
しなかったでしょう」

自分の選択をまったく後悔していない。
「60歳は単なる老人ではない。
妊娠にだって挑戦できるし、何かを成す
可能性が残っていることを示せた。
まだまだ捨てたもんじゃないですよ」

「女の子がほしい
昨年11月に、仕事に復帰した。
生後6ヶ月の長男は今、体重7キロ。
テレビが大好きで、最近離乳食を食べ始めたという。
「2人目?
まだ1、2年のうちなら可能でしょう。
できれば女の子がほしいですね。
半分冗談で、半分本気です」

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ファイル
卵子提供・代理母出産情報センター
同センターの紹介で米国で卵子提供を受け、
出産した人は128人。
うち50歳以上は17人、閉経後の人も40人。
卵子提供者への謝礼や体外受精費用など
総額400万〜500万円がかかる。
鷲見侑紀(すみ・ゆき)代表は「影山さんは特別
な例だが、条件さえクリアすれば50代出産は可能。
産む産まないは女性が決めるべきだ」という。

「ありがとう、赤ちゃんー60再発出産の物語ー」
光文社 影山さんが自分の生い立ちや出産までの
経緯を綴った手記。

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社会は議論不足

柘植あづみ明治学院大学助教授(医療人類学専攻)の話

子どもを産んだ気持ちは理解できるが、卵子提供
という先端技術を利用していいかは、別の問題だ。
今の社会で、将来、子どもが何を思うかなどの
議論が足りない。
不妊治療を続けても子どもをもてない人もいるし、
高齢出産は自分の命にもリスクがある。
出産をあきらめることによって、
次の人生が開くこともある。
あきらめられない気持ちの背景を、
社会はもっと考えるべきだ。

 

 

 

性別変更、この認知認めず 凍結精子出産「現行法と整合せず」東京家裁

東京新聞  2022年3月1日

 

性同一性障害で男性から性別変更した女性が、
自分の凍結精子でパートナーの女性との間に
生まれた子と法的な親子となるための認知を
巡る訴訟で、東京家裁(小河原寧裁判長)は
28日、『法律上の親子関係を認めることは
現行法と整合しない』と認知を認めない
判決を言い渡した。

カップルは東京都の40代女性と、パートナー
の30代女性。40代女性が性別適合手術前に
凍結保存した精子を使い、39代女性が2018年
に長女、20年に次女を出産した。
40代女性は18年に戸籍上の性別を変更した。

判決は、親子関係は血縁上と法律上で
「必ずしも同義ではない」と指摘。
婚外子を父または母が認知できるとする民法
の条文は「『父』は男性、『母』は女性が
前提」とし、法律上の女性は「父」と認めら
れないと判断した。
懐胎、出産しておらず、「母」にも当たらない
とした。

女性側は認知届を出したが、自治体に受理さ
れず、子ども2人を原告として40代女性に
認知を求めていた。
原告側は控訴の方針。
別に、国を相手に親子関係の確認を求める
訴訟を起こし、東京地裁で審理中。

「実際に育て、生物学的にもつながって
いるのに、矛盾感じる」

1歳の次女とともに法廷で判決を聞いた40代女性。
判決後の記者会見で「親子関係がないと言われ
つらいし、残念に思う。
実際に育てていて、生物学的にもつながっている
のに、矛盾を感じる」と無念の思いを語った。
経済や福祉面で子に不利益になることが不安だと
いい、「裁判を続けたい。子どもが生きやすい
社会にしたい」と話した。

子どもたちは、女性二人をともに「ママ」
と呼んでいるという。
代理人の仲岡しゅん弁護士は、判決が母子関係の
根拠を出産としたことに「生殖補助医療もなく、
性同一性障害も認められていない大昔の最高裁
判決を引っ張ってきた。
家族関係は多様化しているのに硬直的な思考だ」
と批判。
男性ではないから「父」ではないという判断にも、
子が成人後に性別変更すれば女性が「父」、男性
が「母」となる実態を挙げ「未成年では認めない
合理的な理由はあるのか」と疑問を投げかけた。
松田真紀弁護士は「法律という多数決で決まる
ルールから取りこぼされる人を救うのが司法の役割。
少数者は誰に助けを求めればよいのか」と指摘
した。(小嶋麻友美)

 

子の福祉に触れず問題

渡邉泰彦・京都産業大教授(家族法)の話
子どもが親を求めた裁判なのに、判決が子の
福祉に触れていないのは問題。
戸籍に親として記載されず、子どもの
「出自を知る権利」も保障されないことになる。
法律上の「父」とは何かという論点にも
踏み込んでいない。
性別と親の分離について、きちんと議論すべき
だった。

 

 

 

au Webポータル 2022年2月28日

(弁護士ドットコム)

判決などによると、男性として生まれたが
性同一性障害を有していたため、性別適合
手術を受け、戸籍上の性別を女性に変更。
凍結保存していた精子をパートナーの女性
に提供し、2人の子をもうけたが、自治体
が認知届を受理しなかったため、2021年
6月に提訴していた。

判決後に開かれた会見で、性別変更した
Aさん(40代)は、「裁判の場で認めてもら
えず悲しく思う。(カップルで)子を産み
育てていて、生物学的に親子関係があるのに、
このような判断が出ることに矛盾を感じた」
と話した。

 

家裁「母子関係は懐胎・分娩によって生じる」

この日の判決は、Aさんのパートナー・Bさん
(30代)が2人の子どもを代理した原告として、
Aさんを被告とする「認知の訴え」に関する
もので、利害が完全に一致しているカップル
が原告と被告になる異例の裁判だった。

現状、子どもらの身に何かあっても、Aさん
は保護者として扱われない中、Aさんと子ども
らとの生物学上(血縁上)の親子関係がある
ことから、認知を求めていた。

東京家裁は、「親子関係は認めない」との
結論を下した。
主な理由として、女性が父親として子を認知
することはできないことと、母子関係は懐胎・
分娩によって生じるので、懐胎・分娩していな
い者には親子関係が生じていないことを挙げた。

その上で、「法律上の親子関係は民法における
身分法秩序の中核をなすもの」と指摘。
「多数の関係者の利害にかかわる社会一般の
関心事でもあるという意味で、公益的な性質
を有しており、当事者間の自由な処分が認め
られるものではない」として、「血縁上の父
が子の父となることを争っていないからとい
って、このことからただちに法律上の親子関
係を成立させて良いことにもならない」と判断した。

 

「戸籍上、女性である父や男性である母
はすでに存在する」

判決後の会見で、原告ら代理人の仲岡しゅん
弁護士は、「不当だ」と判決を批判した。

「女性である父や男性である母を認められない
という判断を下したことになるが、日本の法律
のどこにもそんな規定はありません。

むしろ、(性別変更の要件などを定める)性
同一性障害特例法では、性別変更する際に、
子が成人している場合だと、女性に変わっても
戸籍上は父のままですし、男性に変わっても
戸籍上は母のままです。
戸籍の記載上、女性である父や男性である
母はすでに存在しています。

今回は子どもが未成年のケースですが、あえて
(女性である父や男性である母を)認めない
合理的理由はあるのでしょうか。
私はないと考えています」(仲岡弁護士)

また、母子関係が懐胎・分娩によって生じる
との判断は「昔の判決を引っ張ってきた」と
話し、性同一性障害が認識され、生殖医療も
発達している現在とは「時代が違う」と指摘した。

「発達した生殖医療によって、懐胎・分娩に
よらずに子が生じることもあります。
家族関係が多様化している中、そういった
実態を認めずに、硬直的な思考で懐胎・分娩
によって生じると判断したわけですが、
間違っていると思います」(仲岡弁護士)

子どもを抱えながら会見にのぞんだAさんは、
「凍結精子だと認めないというのは時代錯誤
なのでは」と疑問の声をあげた。

「親子関係がないと言われ続けるのは辛いです。
ここで諦めるつもりはありません。
最終的には(親子関係を)認めてもらいたい
と思っています。
なかなか当事者でないと理解が難しいかもしれ
ませんが、こういう存在もいるのだということ
を社会にも認知してもらいたいです」(Aさん)

仲岡弁護士は、「認められないなら最高裁まで
争う」と話し、上訴する意向を示した。

 

 

朝日新聞D IGITAL 2022年2月28日

男性から性別を変えたトランスジェンダーの
女性と、自身の凍結精子を使って生まれた
子どもとの間に「親子関係」は認められるか――。
この点が争われた訴訟の判決が28日、東京家裁
であった。
小河原寧裁判長は「法律上の親子関係を認める
のは現行の法制度と整合しない」と述べ、
親子関係を認めずに請求を棄却した。

同性カップルの婚姻は法律で認められておらず、
40代女性と子どもは血縁関係がありながら
法律上の親子関係がない。
子どもを産んだパートナーのみ法的な親子関
係がある状態だった。

裁判では、原告の子ども2人が被告の40代女性
に対し親子の認知を求め、40代女性も親である
ことに合意していた。
判決が訴えを認めれば同性同士の親が誕生する
ことになり、司法判断が注目されていた。

訴状によると、40代女性の凍結精子を使い、
事実婚状態のパートナーの女性が2018年に
長女を出産。
40代女性はその後、性同一性障害特例法に
基づき性別を男性から女性に変更し、20年
には再び凍結精子を使って次女も生まれた。

民法は、婚姻関係にない男女の間に生まれた
子について「父または母が認知できる」と
定めており、40代女性は性別変更後、自身を
子どもの父とする認知届を自治体側に提出。
だが、「認知は無効」として受理されなかった。

 

 

 

父親の違う双子(ベトナム)と肌の色の違う双子(アメリカ)

似ていない双子

双子なのに父親が別の人間?、そんなことが
ありえるのという記事を、2016年3月8日の
「CNN.cp.jp」からお伝えします。

 

国営ベトナム通信(VNA)によりますと、ベトナム
北部ホアビン省出身の一家で2歳になる双子の容姿
が似ていないと、親族から指摘された両親が首都
ハノイの遺伝子解析技術センターを訪れてわかった
ものです。

 

2歳になる双子の1人は、髪が多くてウェーブがかか
っていましたが、もう1人の方の髪の毛は薄くて
まっすぐでした。

 

 

 

赤ちゃん取り違え?

病院での赤ちゃんの取り違えが疑われていましたが、
DNA検査の結果はそうではありませんでした。
2人は、同じ母親を持ち、父親だけが違っていたのす。

 

家族はこの事実に驚き、最善の対応を考えている
ということです。

 

遺伝子解析技術センターのルオん会長は、両親との
間で秘密を守る約束を交わしたことを理由に、
詳細への言及は避けています。

 

 

 

ベトナムでは初めて

父親の違う双子が生まれる確率は非常に低いもので、
専門家によりますとベトナムで報告されたのは初の
事例とみられています。

 

アメリカでは、昨年ニュージャージ州の男性が、
双子の養育費を請求された訴訟で、DNA鑑定をした
結果、この男性が双子のうちの一方だけの父親だっ
たことが判明しました。
裁判所は男性に、1人分の養育位のみを支払うよう
に命じています。

 

専門家によれば、女性の卵子の寿命は、12〜48時間
で、男性の精子の寿命は7〜10日間で、本来は1か月
に1つだけの排卵が2個以上あった場合、その前後
1週間ほどの間に複数の男性と性交渉を持つと、父親
の違う双子が生まれることがあるということです。

 

 

肌の色の違う双子
カラ二・ディーンちゃん(左)と
ジャンニ・ディーンちゃん(右)

 

肌の色が違う双子

またこちらは同じ「 CNN.co.jp」の2017年1月25日の
記事ですが、肌の色が違う双子の赤ちゃんの紹介
されています。

 

アメリカのイリノイ州に住む、カラ二・ディーン
ちゃんとジャラニ・ディーンちゃんの姉妹です。

 

カラ二・ディーンちゃんは、白い肌に青い目、
ジャラニ・ディーンちゃんは、色の濃い肌に
茶色の目というように外見がはっきりと分かれ
ています。

 

 

 

「信じられないほどの幸運!」

こちらは両親は同じなのですが、母親が白人、
父親が黒人で、双子は二卵性双生児ということ。

母親は、
「こんなに幸運なことが起きたなんで、最初は
信じられなかった」
とはなし、2人が誕生してからずっと写真の投稿
を続けてきたそうです。

 

同じ受精卵から生まれる一卵性双生児と異なり、
二卵性双生児は父母からそれぞれ異なった組み
合わせの遺伝子を受け継ぎますので、父母の人種
が違えば2人の肌の色が別れることもあります。

 

ただしその可能性はかなり低く、イギリスの遺伝
学者ジム・ウィルソンさんによりますと、異人種
カップルに肌の色の違う赤ちゃんが生まれる確率は
約500分の1に過ぎないとBBC放送で語っています。

 

不妊治療で生まれた双子は、別の夫婦の子どもだった

体外受精で別の夫婦の子を妊娠

アメリカ、カリフォルニア州で、不妊治療クリニック
で体外受精(IVF)をしたアジア人カップルが、双子
を妊娠しました。

 

しかし2019年3月30日に生まれた子どもたちは、
とてもアジア系とは見えない赤ちゃんでした。
カップルは衝撃を受ます。

 

医師のミスにより、自分たちとは無関係の子ども
を妊娠、出産したとして、このアジア人カップルは
クリニック「CHAファーテリティ(Fertility)」と
共同経営者らの男性2人を相手取って、ニューヨー
ク州で訴訟を起こしました。

 

 

 

 

赤ちゃんの1人は同クリニックで治療していた夫婦の遺伝子と判明

2回目の不妊治療で双子を人したカップルは
妊娠中、それぞれの遺伝素材を使って赤ちゃん
ができたと、医師から説明を受けていました。

 

しかし、DNA鑑定の結果、赤ちゃんは2人とも
カップルとは遺伝的なつながりがないことが
判明します。
同じクリニックで治療を受けていた別の夫婦
の遺伝子を持っていることがわかりました。

 

赤ちゃん同士にも、つながりは見られないと
いうことですので、双子の赤ちゃんの1人が
その夫婦の子どもということなのでしょうか?
報道ではわかりかねますが。

 

カップルは赤ちゃんの親権を放棄したという
ことです。

 

 

 

 

クリニックを提訴

彼らは、クリニックについて、医療過誤を犯し、
恋に精神的苦痛を与えた責任があると主張。
「CHAファーテリティ(Fertility)」は、ウェブ
サイトで、「個人に合わせた最高レベルの治療
(中略)最大の職業意識を持って提供する」と
しています。

 

クリニック側は、この訴えに対してコメントは
出していません。

 

カップルの弁護士は、BBCに対し、
「カップルは、CHAファーテリティ(Fertility)
のあまりに怠慢で向こう見ずな行為によって
被害を受けた」
「この訴訟の目的は、依頼人の損失を保証させ、
こうした悲劇が二度と繰り返されないようにする
ことだ」
と話しました。

 

 

 

 

妊娠中から不審なことが

不妊治療に10万ドル(約1090万円)以上を費やした
といいますが、赤ちゃんが生まれる前から、おかし
な点があったとカップルは言っています。

 

妊娠中のスキャン検診では、赤ちゃんは男の子だと
言われましたが、治療中に医師たちは、男性の胚
は使っていないと話していたのです。

 

同クリニックでは、去年の初めにこのカップル
から精子と卵子を採取し、生倍数体の胚を5個
形成しましたが、そのうちの4個は性別が女性
だったのです。

 

そこでカップルは、クリニックの経営者の1人に
連絡を取ります。

 

するとその共同経営者は、
「自分の妻も妊娠時に、男の子だと告げられて
いたが、出産したら女の子だった」
と言い、超音波検診の結果は不正確だとして、
そのまま続行したということです。

 

そして3月に出産すると、超音波検査通りに
双子はどちらも男の子で、人種も両親とは
異なったものでした。

 

またカップルは、自分たちから採取された
2つの胚が、どうなったのかも知らされて
いないということです。

 

 

 

 

赤ちゃんの親権を放棄したカップル

この報道では、カップルが赤ちゃんの親権を放棄
した、ということまでしかわかりませんが、2人
の赤ちゃんは誰が親になり、育てることになる
のでしょう?

 

1人は、同じクリニックの別の夫婦の子どもだと
いうことが遺伝的にわかったようですが、それで
はやはり、不妊治療をしていたと思しき彼らは、
大喜びで自分たちの遺伝子を持ったその赤ちゃん
を引き取って育てるのでしょうか?

 

また、もう1人の赤ちゃんのことに関してはわかり
ませんが、いずれにせよ、出産した「母親」は
親であることを放棄したのです。

 

 

 

 

最大の被害者は「子ども」

このアジア人カップルが被害者であるということ
にはもちろん異論はありませんが、私はこれらに
関連する記事にはいつも申し上げているように、
生命の操作をしてしまうことに、大きな疑問を
感じます。

 

命を人間が操作するということは、このような
ことが起きた時に、取り返しのつかないことが
生じてしまうことでもあります。

 

そしてその時の最大の被害者は、もちろんいう
までもなく子ども自身。
その子どもは、自分の命の操作をすることに
関して承諾も反対もできない立場であるという
当たり前のことが、大きく抜け落ちていること
に憤りを感じざるを得ません。

2人の赤ちゃんの幸せを願いつつ……

 

73歳のインド女性が双子を出産

2019年9月5日、インド南部アンドラプラデシュ州
に住む73歳のマンガヤマ・ヤラマティさんが、
体外受精(IVF)で双子の赤ちゃんを出産しました。

 

不妊治療に何度も挑戦した末の出産に「今が人生
で一番幸せ」といい、帝王切開によって出産した
双子の赤ちゃんは元気で、担当医は「母子ともに
順調」と語ります。

 

インドでは2016年にも、ダルジンダー・コーさん
が、やはり70代で出産をしています。

 

ヤラマティさんは、これまで子どもがないことで
住んでいる地域で汚名を着せられたり、集会に
参加させてもらえないことが度々あり、
「よく『子なし婦人』」と呼ばれたといいます。

 

夫である82歳のラジャラオさんは、
「私たちは、この上なく幸せだ」
と喜びにあふれています。

 

ただ心配なことは、双子が生まれた次の日に
彼が心臓発作に見舞われて入院していることです。

 

同性婚をした息子のために、61歳女性が代理出産 アメリカ

同性婚をした息子のために

2019年3月25日、61歳のアメリカ人女性が、同性婚を
した息子とそのパートナーのために代理出産をしました。
2019年4月3日の「BBC News JAPAN」からです。

 

アメリカ、ネブラスカ州のセシル・エレッジさんは、
息子のマシュー・エレッジさんと、彼のパートナー
であるエリオット・ドーティさんの子どもを出産
しました。

 

生まれたのは女の子。
ウーマ・ルイーズちゃんと名づけられたマシューさん
とエリオットさんの娘は、セシルさんの孫娘でもあり、
セシルさんの子どもでもあります。

 

 

 

冗談でしょ?

息子のマシューさんとエリオットさんが、家族を持ち
たいと母親のセシルさんに話した時、彼女は自ら代理
出産を申し出たということです。

 

しかし2人は笑うだけでした。
当時59歳だったセシルさんの提案は、一種の冗談と
しか受け止められず、現実的なものとは考えられな
かったのです。

 

しかし、自分のことよりも他者を大切にする彼女に
対して、エリオットさんは、
「本当に美しい思いやりだと思いました」といいます。

 

 

左がマシュー・エレッジさん
ウーマ・ルイーズちゃんを抱くセシル・エレッジさん
右がマシューさんのパートナーエリオット・ドティーさん

 

 

 

冗談が現実に

ところが、セシルさんと同じ州に住むマシューさん
とエリオットさんは、子どもをもつ選択肢を探して
いるなかで、セシルさんの提案もありえるかもしれ
ない、と不妊治療専門医から告げられたのです。

 

問診と一連の検査後、セシルさんは代理出産が可能
との診断をされました。

 

「私は非常に健康志向なので、赤ちゃんを妊娠できる
はずだと、全く疑っていませんでした」
子どもは、マシューさんの精子と、エリオットさんの
妹であるレア・イリブさんの卵子を使って、体外受精
で誕生しました。

 

美容師のエリオットさんは、異性カップルにとって
は体外受精というのは、最後の手段かもしれないが、
自分たちにとっては、血のつながった子どもをもつ
ための「唯一の望み」だったと述べました。

 

公立学校教師のマシューさんは、
「これについては、自分たち独自のやり方、枠に
とらわれない方法が必要だと、最初から承知して
いたので」
と付け加えます。

 

 

 

妊娠検査薬は「陰性」?「陽性」?

受精卵の移植が成功したかを確認するため、
セシルさんは妊娠検査薬を使いました。

 

「ダメだと言われていたけれど、息子たちは
待ちきれない様子だった」
というセシルさんは、検査薬の判定が「陰性」
だったことに愕然とします。

 

母親を慰めに訪ねてきた息子のマシューさんが
検査薬を見てみると、「陽性」を示すピンク色
の線が出ていたのです。

 

セシルさんは、自分の視力がいかに衰えている
笑いながら、
「本当に嬉しい瞬間だった」
と語ります。

 

息子のマシューさんとエリオットさんは、
「ママは何も見えないけど、出産はできる」
と笑いながら言ったといいます。

 

 

左から
エリオットさんの妹で卵子提供者のレア・イリブさん
エリオット・ドーティーさん
マシューさんの母のセシル・エレッジ
精子提供をしたマシュー・エレッジ

遺伝的には両端の男女が父母で、
右から2人目の女性が代理出産し、
2人の男性が育ての親となる

 

 

 

残る差別

セシルさんの妊娠に対して、家族全員、特に
マシューさんのきょうだい2人は、前向き
でした。

 

「どういうことかみんなが理解してからは、
全面的に応援してくれました」
と語るセシルさんですが、今回の妊娠により、
ネブラスカ州の性的少数者(LGBT)家族が
どういう差別を受けるかということも、浮き
彫りになりました。

 

ネブラスカ州では、同性愛者の結婚は、
2015年の最高裁判決以降、合法ですが、
性的指向に基づく差別を禁止する州法は
存在しません。

 

2017年までは、ゲイ取れずビアンが里親になる
ことを禁止する数十年前の州法を適用し続けて
いました。

 

 

 

医療費の払い戻しも受けられず

その上、セシルさんが出産したのが自分の子ども
だった場合には支給されたはずの医療費の払い戻し
を、保険会社は認めませんでした。

 

セシルさんは、保険会社と争いましたが認められ
ませんでした。

 

赤ちゃんを出産する人物を母と定める法律により、
出産証明書には母セシルさんと、息子のマシュー
さんの名前は記載されていますが、エリオットさん
の名前は除外されています。

 

「本当にたくさんのことが障害になるかもしれず、
これは本当にごくごくわずかな一例に過ぎない」
とセシルさんは言います。

 

 

 

宿場を追われたマシューさん

マシューさんは4年前、当時勤めていたオマハに
あるスカット・カトリック高校にドーティさんと
結婚する予定だと伝え解雇され、大きく報じられ
たことがありました。

 

学校側の対応は、地元で激しい抗議を巻き起こし、
保護者や卒業生、在校生が、
「マシューさんと将来の教員に対する雇用差別を
終わらせる」ようも止めるオンライン申し立てを
作成すると、10万3000人近くの支持が得ました。

 

典型的な一般家庭だというセシルさんの家族は、
LGBTの人々や家族に対する「憎悪」に対抗する
ために、家族の経験談を共有し、「そこには常に
希望がある」と伝えました。

 

 

 

「何もかも、なるなるべくして……」

マシューさんと家族に対する否定的な反応について
「個人的に受け止めないようにすることを学んで
きた」
といい、

 

「結局のところ、私たちには家族がいて、友人が
いて、私たちを支えてくれる巨大なコミュニティが
ある」
「この小さな女の子を、本当に大勢の人が応援して
くれています。
愛情あふれる家族に囲まれて成長します。
何もかも、なるべくしてこうなりました」
と語りました。

 

 

 

 

第一子の出産26日後に、双子を出産 バングラデシュ

出産後すぐに、また出産

今年、2019年の2月にバングラデシュで、
一人の女性が出産をしました。
と、ここまではよくある普通のお話ですが
普通ではなかったのは、出産したわずか
26日後に、何とまた双子を出産したのです。

 

本人さえ気づかなかったのですが、彼女は
彼女の2つ目の子宮に、双子を妊娠していた
ということでした。

 

そんなことってあるの?、と驚くようなお話を
3月29日の「BBC News JAPAN」の報道
から御紹介しましょう。

 

バングラデシュの農村に住む、20歳のアリファ
・サルタナさんが、クルナ地方の医大病院で
男の子を早産で産んだのは、今年の2月の末
のことでした。

 

 

 

2つ目の子宮

ところが、その26日後にあたる3月21日、彼女は
腹部に痛みを訴えたため、ジェソーレ地方の病院
に救急搬送されることに。

 

診察の結果、2つ目の子宮に双子を妊娠している
ことがわかり、石段が帝王切開を行いました。

 

4日後の、3月25日、母親と健康な双子は、元気に
退院したということです。

 

「搬送されてきた患者を超音波で検査して、
双子がお腹にいるのに気づいた。
私たちもとてもショックで、とても驚きました。
このようなケースは初めて見ました」

 

と、担当医のシーラ・ポッタル医師は、BBCの
質問に答えています。

 

 

本人も気づいていなかった双子の妊娠

ポッタル医師によりますと、サルタナさんと夫は
「とても貧しく」、最初の妊娠中も、超音波検査を
受けたことがなかったということでした。

 

「他に二人を妊娠しているなど、本人も全く気づい
ていなかった。
帝王切開によって、男女の双子を出産した。
母子ともに健康で、何もかも上手くいってとても
喜んでいる」
とポッタル医師は続けました。

 

シンガポールの産科医、クリストファー・ワンさんは
「超音波検査を受けていれば、子宮が2つあるのは
すぐにわかる」ものの、超音波検査をなかなか
受けられない農村部では、わからないままのことも
あるとし、

 

「女性はおそらく、卵を3つ入らんし、それが妊娠
可能期に受精した結果、三人の退治が育ったの
だろう」
と説明します。

 

AFP通信によりますと、スルタナさんは3人の子ども
が生まれて幸せだといいつつも、育てるのは経済的
に大変だろうとも話しています。

 

夫は肉体労働者で、月収は約1万円前後だという
ことですが、「できるだけのことはする」と
言っていました。

自覚症状の少ない重複子宮

そこのこのサルタナさんの「2つ目の子宮」ですが、
これは女性の体内に2つの子宮ができる疾患だそう
です。

 

通常は、胎児の中で小さい2つの間だったものが合わ
さって1つの大きい臓器に成長して子宮になります。
ところが時により、1つにならずに完全に分離した2つの
子宮になることもあるのだそうです。

 

この症状の程度には差があり、場合によっては不妊へ
と繋がることもあります。

 

発生頻度は様々な見解があるようですが、イギリスでは
1000人に1人が影響を受けると考えられています。
自覚症状は少ないため、超音波検査を受けて初めて
見つかることも多いということです。