戸籍1 「住所」と「本籍」

戸籍には住所のほかに本籍というものがあります。
住所と同じで、都道府県ー市区町村
ー◯◯のX丁目Y番地で成り立っています。

本籍と住所が同じ人もいますが、昔の住所
だったり、祖父母の出身地だったり、誰も
住んだことのない知らない土地である場合
もあります(あなたの本籍はどこなのか、
知らない人は調べてみてください)。

住所とはわたしたちが現在、生活の拠点に
しているところ、しばらく離れて暮らして
いても(一時滞在地のことを居所という)、
家財道具を揃え、やがては帰るところです。

だから引っ越しなどで生活の拠点を移す
場合には住所変更が必要になります。

住所を記録し,証明する台帳が住民基本
台帳(住民票ともいう)で、住所地の
役所に世帯ごとに保管されています。

最近では単身世帯も増えていますが、家族
(親族グループ)ごとに暮らしています。

この親族グループを住民票では
家族ではなく世帯と呼んでいます。

というのも、住民票に記録される親族
グループは、現実にその場所に共同生活
をしている、そこを生活の拠点としている
人たちのことで、これからお話する戸籍上
の家族とは違うからです。

では次に,戸籍上の家族に
ついてお話しましょう。

日本には戸籍制度というものがあり、戸籍
には実際の家族(紛らわしいのでこれから
は実際の家族を世帯とか家庭と呼ぶ)では
なく、法律上の家族が記録されます。

法律上の家族とは法律上の夫婦関係と親子
関係(これらを総称して身分関係という)
で組み立てられる親族グループのことですが
現在の戸籍制度では、夫婦と未婚の子を
セットで記録することにしています。

この法律上の家族(これからは単に家族と
呼ぶ)を記録する戸籍のある場所が本籍
なのです。

家族の記録・証明は本籍地の役所が行います。
住所地の役所ではありません。

本籍は家族の登録地で、現実の生活とは
何のかかわりもありません。

生活の根拠地ではないので、住所と違い
引っ越しても変更することはありません。

現実の生活とは関係がないので、いつでも
どこにでも移す(これを転籍という)
ことができます。

だからまったく知らない土地を
本籍にする人もいるのです。

世帯と家族とがぴったり重なっている人は
なぜ世帯の記録と家族の記録が別々なのか
理解しにくいかもしれません。

でも,人はいろんな事情を抱えて暮らしています。
夫婦仲がすっかり冷え込んで別居しているけれど
事情があって離婚できないいカップルとか
愛しあっていて一時も離れては暮らしたくない
けれど、事情があって法律上は離婚している
カップルなど,例を挙げればきりがありません。

日本は戸籍と住民票によって、わたしたち
の暮らしを、家族と世帯の両面から記録し
証明しているのです
(外国で「家族」といえば現実の世帯を指す)。

この仕組みには便利なところもあるので
明治以降、長い間続いてきました。

でも個人の人権やプライバシーなどの観点か
最近ではさまざまな批判にさらされています。

たとえば世帯と家族が重なっていない
人のことを考えてみてください。

何らかの理由で別々な記録になっている
そこには他人に知られたくない家庭の秘密
があるかもしれません。

それをむやみに暴くことは許されない
そうではありませんか。
少なくとも市民生活のエチケットに反します。

外国にも住所(世帯)を登録する仕組みを
もつ国はかなりあります(ということは
もたない国もあるということ)が、戸籍
(法律上の家族の登録)をもつ国は
ほとんどありません。

戸籍は日本特有の制度なのです。

 

 

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