韓国「男社会」の象徴 戸主制廃止  2005年3月3日 朝日新聞 戸籍9

【ソウル=高槻忠尚】
韓国の男性中心の
家制度を支えてきた「戸主制」の廃止を柱
とする民法改正案が2日、韓国国会本会議
で可決された。
猶予期間をおいた上で08年から廃止される。

廃止を求めてきた女性・市民団体は歓迎
する一方、保守派は「伝統的な家族の概念
が崩壊する」と反発している。

1958年に制定された韓国民法は
「一家の系統を継承した者」として戸主を規定。

父親が家父長として大きな権威を持つと
同時に戸主継承は父親から息子、男の孫
など男系が優先され、妻や嫁は男性の下
で「内助役」を強いられてきた。

女性団体が1970年代から廃止を訴えて
いたが儒教団体など保守派の反対で難航。

「旧弊打破」を掲げて09年に発足した
廬◯◯政権になって廃止の流れが強まり
先月には憲法裁判所が事実上の違憲決定
を出し、法改正を後押しした。

戸主制廃止により「家父長」の概念が
なくなり、女性の権利が広がる。

韓国では従来、子どもは父親の姓を
名のると決められていたが、改姓に
より結婚時の同意があれば妻の姓を
継ぐことも可能になった。

また、母親が再婚しても子どもは
新しい父親の姓を名のることはできず
一家庭に三つの姓が混在する例も少な
くなかったが、今後は改姓が認められ
るようになった。

離婚後6ヶ月間、女性の再婚を禁じて
きた規定も廃止された他、姓が同じで
その姓の発祥地も同一である(同姓同本)
男女の結婚禁止規定もなくなった。

 

 

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