戸籍偽造
「戸籍偽造に役所苦悩」朝日新聞 5月18日 戸籍10

戸籍の偽造を防ぐために、簡単でしかも
効き目のある方法は何か、 法務省が頭を
悩ませている。

例えば、結婚する2人に市町村の窓口
まで来てもらえれば一番確実だが、届出る
側,受けつける側双方から「面倒くさい」
という声が上がるのは間違いない。

まして離婚を決めた夫婦となれば……。
結局,窓口にきた人の身元確認を義務
づける案に落ち着く気配だが、その手段
などをめぐってなお議論がありそうだ。

検討のきっかけになったのは、昨年8月に
仙台市で相次いで発覚した戸籍偽造事件。

知らないうちに架空の婚姻届や養子縁組が
出され、盗難車の名義替えに利用されていた。

他にも、消費者金融から借金をしたり携帯
電話を購入したりするのに、偽造戸籍が
使われる事件が全国で発生していることが
分かった。

現在の戸籍法では、結婚や離婚、養子縁組
などの届出は本人以外の第三者がしてもよく
しかも届出た人の名前や住所の確認は必要
とされていない。

法務省内の議論でも、「これではうその
申請が通るのもやむを得ない」との意見が
出て、何らかの確認作業が必要との点で
一致した。

問題はその方法だ。
当事者そろっての届出を求めるとなる
と、今に比べて負担が大き過ぎる。

カップルそれぞれの印鑑証明を用意して
もらうという案も、
「結婚するのに、まず役所で印鑑証明
をつくってもらうというのも変な話」
ということで受け入れられなかった。

欧州には、教会の許可や大量の書類が
必要とされたり、許可までに日数が
かかったりするため、事実婚のカップル
が増えている国もある。

「それは困る」というので、落としどころ
として浮上したのが運転免許証や保健所で
届出人の身元を確認する手続き。

既に仙台市などが実施しており、これを
全国の自治体に義務づける。

窓口事務は頻繁になるが、「偽造による
被害を防ぐためならば」と大筋で理解を
得られそうだという。

届出た人がそうした確認手段を持ち合わ
せていない場合の対応などをさらに検討し
この秋に予定される臨時国会か来年の通常
国会に戸籍法改正案を提出したい考えだ。

併せて,偽造が判明した戸籍を元の
状態に戻す手続きを新たに導入する。

現行法では,届出が無効とわかって訂正
した場合でも,その跡が残ってしまう。

被害にあった人からは「何もなかった形
にして欲しい」との要望が強く、これに
こたえることにした。

 

 

 

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