戸籍 公正・再製申出、取り扱いの一部改善  2010年3月24日付 法務省民事第一課長より 戸籍11

「嫡出でない子の戸籍における父母との続柄
の記載の更正及び訂正並びに申出による戸籍
の再製について」

という730号通知が出され、更正ー再製申出
の取り扱いが一部改善されました。

同日付で、
法務省民事第一課長より
「出生届の父母との続き柄欄の、嫡出・嫡出
でない子の記載を拒否した場合の取り扱いに
ついて」

という729号通知が同時に出されました。
730号
1、父母との続柄が更生された後でも、
従前の戸籍の再製申出ができる

転籍届けや婚姻届などの新戸籍編成の事由に
なる戸籍届けと同時に更正申出をした場合、
新しく造られた戸籍には、「長女・長男」
という続き柄か記載され、身分事項欄には
続き柄を更生した旨の記載は一切されません
(このことにより再製と同じ効果を持つから、
再製申出をするメリットはないとの誤った
考えを市町村職員が申出人に伝えてきました)。

しかし戸籍届と同時に更正申出をした際の
従前の戸籍(除籍・改製原戸籍)には、女・男
に抹消線が引かれ、「長女・長男」と横に記載
し、身分事項欄には、「父母との続柄更正」と
記載されます。

これまでの戸籍以上に婚外子とはっきりと
わかる表示となります。

それでもこの戸籍は “従前の戸籍” との取り扱い
となるため、再製申出はできませんでした。

しかし今回の730号通知によって、更正申出等
の記載のある従前の戸籍(除籍・改製原戸籍)
については再製の申出ができると,取り扱い
が改められました。

●更正申出・再製申出は同時に行うか別に行う
か続き柄差別記載をなくしたいという場合には、
今後は以下の通りの方法になります。

一、更正申出と同時に再製申出をする
転籍届や分籍届、婚姻届などを出す予定が
今のところない場合は、更正申出と再製申出
は必ず同時にした方がよいと思います。

更正申出だけで歯より差別続柄が
浮き彫りになってしまうからです。

なお、この申出をする場合は、再製戸籍
ができるまでに1か月以上かかるために、
余裕を持って手続きをする必要があります。

 

二、転籍届や分籍届け、婚姻届などを出す
際にその他欄で更正申出をして、その後に
再製申出を行う今回の取り扱い変更により、
更正申出をしておけば、後からでも従前戸籍
の再製申出ができるようになりました。

そのため転籍届・婚姻届など新戸籍編成の
事由がある届を出す予定がある場合は、ま
ずその届と一諸に更正申出(届書のその他欄
に更正を申し出ますと記載する)をしておき
(新しくできた戸籍には最初から「長女・長男」
という続柄が記載されています。

これにより新戸籍の写しをいつでもとる
ことができます)、後日、従前の戸籍
(より露骨に差別続柄の履歴が表示されている)
の再製申出をすれば、この差別記載の痕跡
が消えた再製戸籍ができあがります。

※もし戸籍の届出の際に、更正申出と一諸
に再製申出も行うと、新戸籍ができるまでに
1か月以上もかかるため、新戸籍の写しがなか
なかとれなくなってしまうことになります
(再製戸籍ができた後にそれを戸籍届に添付
し、届の受理が決定されるという手順となる
ためです)。

2、現在事項と除籍された記載事項が同一
戸籍に併存する場合は、両者とも更正申出の
対象になる結婚等によって除籍された者が、
その後離婚して婚姻前の戸籍(本人の除籍の
事項がそのまま載っている)に復氏復籍して
いる場合、現在事項も除籍された事項(除籍
された者としての記載)も両方の父母との続柄
が更正申出できるようになりました。

同じように、結婚等によって除籍されたもの
(ただし、父母との続柄の記載はすでに更生
されている)が、その後離婚して婚姻前の戸籍
(本人の除籍の事項がそのまま載っている)
に復氏復籍している場合、除籍事項の父母と
の続柄についても、更正申出ができるように
なりました。

その際には申述書は必要なく、現在事項の
更正済の父母との続柄の記載に従って更生
されます(今回の通知によりこのような
取り扱いにかわりました)。

なお、この更生された戸(除)籍に
ついても再製申出が可能です。

※2004年11月1日付の戸籍の父母との続柄
に関する2008号通達では
「申出の対象
となる戸籍は事件本人の戸籍のみであり、
事件本人が従前に在籍した戸(除)籍は
対象としないとされていました」
とされていました。

しかしこの通知では、上記のような現在
事項と除籍された事項が併存する戸籍の
場合は、除籍された者としての記載部分
は「事件本人が従前に在籍した戸籍」に
はあたらないとしました。

それは「除籍された者としての記載事項
と現在事項が併存する戸籍については、
両者を更正の対象とする方がよりプライ
バシーに配慮した取り扱いである」との
考えに基づいています(戸籍841号
「落葉」参照)。

 

 

 

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