男性医師が無断で自分の精子を使い49人の子どもを誕生させていた

患者に無断で自分の精子を使った医師

オランダの不妊クリニックの男性医師が、患者に
無断で自分の精子を使って体外受精をしていた
ことが判明したというニュースを、2019年4月15日
の「BBC News JAPAN」からお伝えします。

 

4月12日に公表されたDNA鑑定の結果で明らか
になったもので、親子関係にあることが判明
した子どもの数はなんと49人ということです。

 

オランダ、ロッテルダム近郊のブレイドルプ
で不妊治療クリニックの院長だったヤン・
カールバートさんに、2017年、ドナーの精子
ではなく、自分の精子を使って体外受精を
していた疑いが浮上。

 

体外受精で生まれた子どもと、その親が
DNA鑑定を求める訴えを起こしました。

 

 

 

自称「不妊治療界のパイオニア」

体外受精で生まれた子どもの中には、青い色
の目のドナーから精子提供を受けたのに
茶色の目をしている子どもがいたり、また外見
自体がカールバート医師によく似ている子
どもも含まれています。

 

クリニックは、カールバート医師がデータや
分析結果、ドナー情報を改ざんしたほか、
ドナー1人当たり子どもは6人までと定めら
れている人数を超えて体外受精を行なって
いた疑惑が浮上するなか、2009年に閉鎖し
ています。

 

カールバート医師は、その8年後の2017年
4月に89歳で死亡していますが、彼は自ら
を「不妊治療界のパイオニア」と呼んで
いたということです。

 

 

 

真実が明らかになって嬉しい

49人の子どもの一人、ジョーイさんは、
「11年間父親を探し続けて、私は人生を
継続することができる。
ようやく真実が明らかになって嬉しい」
と述べます。

 

(話はちょっと外れてしまうのですが、
上記のジョーイさんの言葉は英文では
こうなっています。

“It means that there is finally clarity
for the children who are matched,”

「BBC News JAPAN」はとても興味深い
話題を取り上げてくれるのですが、
日本語訳が少々……、というところが
あって残念です)

 

49人の子どもの代理人を務めたティム・ビュー
ターズ弁護士は、DNA検査の結果に満足して
いると語りました。

 

 

 

生前、カールバート医師はDNA鑑定を拒否

地元メディアによりますと、オランダの裁判所は
2017年、この疑惑に関する訴訟の結論が出るまで
は結果を公開しないことを条件に、DNA鑑定の
実施を認めたということです。

 

カールバート医師の死去後、自宅からDNAが
押収されました。

 

カールバート医師の遺族の弁護団は、DNA
鑑定の実施に反対していました。
カールバート医師は、生前DNA鑑定を拒否
していました。

 

カールバート医師がDNA鑑定を拒否していた
ということですが、彼のように精子を操作でき
る立場にあり、かつかなり信憑性のある疑惑
が浮上している時にも、拒否できるのですね。
私にはちょっと意外でした。

 

 

 

裁判所がDNA鑑定結果を開示するように命令

AFP通信によりますと、2017年5月にカール
バート医師の息子が提出したDNAについては
体外受精で誕生した19人の子どもと、生物学
的な関係があることがわかっていて、カール
バート医師が父親である可能性が指摘されて
いました。

 

ロッテルダムの地方裁判所は、今年の2月、
DNA鑑定の結果を開示するよう命じました。

 

法律事務所のレックス・アドヴォケート
(Rex Advocate)が、サイトに掲載した声明
によりますと、鑑定結果は、
「カールバート氏が、自分の精子を体外受精
に使っていたという深刻な疑惑」
を解明するものだということです。

 

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